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2006年10月02日

薬と飲み物の相互作用

一般に薬は水や白湯で内服するのがよい,と言われています.これは水以外の飲み物で内服すると,場合によっては飲み物と薬との相互作用で副作用が強く出たり,薬の効き目が左右されたりするからです.
それではどのような飲み物が問題になるのでしょう?ここではその一例を取り上げてみました.

アルコール
アルコールは胃腸から吸収されると肝臓の酵素で分解されますが,この酵素はアルコールだけでなく薬の代謝にも関与します.そのためアルコールと一緒に飲むとアルコールの作用が強く出たり,薬物の効果が強く出たりすることがあります.
@アルコールの作用増強:
セフェム系抗生物質,H2-ブロッカー(ザンタック,タガメットなど),アスピリンなど
A薬の効果増強:
リン酸コデイン(咳止め),睡眠薬,精神安定剤,降圧薬(ニトログリセリンなど),糖尿病薬(オイグルコン,インシュリンなど),ワーファリンなど
B薬の効果減弱:
抗HIV薬など

グレープフルーツジュース
グレープフルーツ(ジュース)に含まれる成分が小腸の薬物代謝酵素(CYP3A4)の働きを阻害するため,薬の代謝が遅れて薬が効きすぎることがあります.同様の作用はグレープフルーツ摂取でも起こるため,朝食後に薬を内服する場合は朝食時のグレープフルーツ(ジュース)の摂取を制限する必要があります.ただしミカンの摂取については制限はありません
例)
一部の高脂血症の薬,一部の高血圧・狭心症の薬(バイミカード,アテレック,コニール,カルスロット,バイロテンシンやアダラートなどのカルシウム拮抗薬.ヘルベッサーやノルバスクなどは影響ありません),一部の睡眠薬(ハルシオン)など
また一部の抗アレルギー薬(アレグラなど)では逆に薬の効果が減弱することが知られていますが,こちらはグレープフルーツに限らずオレンジジュースやアップルジュースなどでも同様の症状がみられますので注意が必要です.

牛乳
牛乳に含まれる大量のカルシウムが薬と結合し消化管からの吸収を妨げるため,一部の抗菌薬では効果が弱まります.(カルシウムを多く含むヨーグルトなどでも同様の作用が起こります)
逆に脂肪分によく溶ける一部の抗真菌薬や精神安定剤(セルシンなど)は,脂肪分の多い牛乳や食事と一緒に飲むと,消化管からの吸収が促進され,薬が効きすぎることがあります.
また通常,胃の中は酸性に保たれていますが,牛乳を飲むと一時的に中性になってしまうため,本来,腸に入ってから溶けるタイプの薬(便秘薬など)が胃の中で溶け出してしまい,胃が荒れたり腸からの吸収が悪くなり効果が弱まったりすることがあります.

炭酸飲料
炭酸飲料は炭酸ガスにより飲み物自体が酸性となっています.このため酸性の状態で消化管からの吸収が低下する性質のある一部の解熱鎮痛剤を炭酸飲料で内服すると,効果が低下することがあります.

お茶
鉄は緑茶に含まれるタンニン酸と結合し消化管からの吸収が悪くなるため,以前は『緑茶と鉄剤を一緒に飲んではいけない』と言われていました.しかしその後の研究により,タンニン酸との結合による鉄の吸収低下は服用量全体からみるとごくわずかで,薬の効果にほとんど影響しないことが明らかになったため,現在では『鉄剤と緑茶は一緒に飲んでも問題ない』と言われています.

子供さんに薬を飲ませるときは・・
小児用の粉薬の中にはジュースや牛乳と混ぜると飲みやすくなるものがあります.しかし薬によってはジュースに混ぜると苦味が増してしまうものもあるため,服用方法には注意が必要です.
例)
○:チョコレートアイス*,バニラアイス*,コンデンスミルク,ケーキシロップ,チョコレートクリーム,ピーナッツクリームなど
△:牛乳,コーヒー牛乳,ミルクココア,プリンなど
×:スポーツドリンクオレンジジュース,りんごジュース,ヨーグルト,飲むヨーグルト,ヤクルト,マミー,シェイクなど

*アイスクリームは冷凍庫から取り出してすぐの硬い状態ではなく,15分ぐらい放置してやわらかくなったところに薬をふりかけて,かきまぜてジェラート状にして食べさせるのがお勧めです.

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